Microsoftは、Windows 11の「フォト」アプリにAI機能を追加するテストを開始した。新バージョンでは「Super Resolution」により、低解像度画像をAIが8倍まで高画質化することが可能である。さらに、光学文字認識（OCR）機能も導入され、160以上の言語に対応した文字抽出が簡単に行えるようになった。

これらの新機能はSnapdragon搭載の最新PCで処理が完結するため、迅速かつ効率的な操作が期待できる。また、ユーザビリティ向上のための画面ズームやギャラリーのクリック操作など、細かな改善も実施された。最新バージョンはWindows Insiderプログラム参加者向けに提供されている。

AI強化されたWindows 11フォトアプリが登場

Microsoftは、AI技術を用いた革新的な機能をWindows 11のフォトアプリに導入することで、利用者に新しい体験を提供している。この新しいフォトアプリの目玉となるのが、AIを活用した画像の「Super Resolution」拡大機能と光学文字認識（OCR）機能である。これにより、従来は難しかった低解像度画像の詳細な拡大や、写真からの文字情報の抽出が格段に容易になる。

これらの機能は、Snapdragon搭載の新型PCでの利用を前提に設計されており、処理はデバイス内部で完結するため、インターネット接続に依存することなく素早く対応することが可能である。こうしたAIの導入は、写真の管理や編集をより効率的にするだけでなく、プロフェッショナルな用途にも応用できる利便性を提供している。

画像拡大の「Super Resolution」で画質改善を実現

「Super Resolution」機能は、AIが画像の画素を解析し、オリジナルの品質を損なうことなく最大8倍までの拡大を可能にする。この技術は、ポスターサイズへの拡大印刷や、細部に焦点を当てた画像の切り出しなど、さまざまな用途に適している。

これまで低解像度で保存されていた思い出の写真を高品質な画像として再利用することも可能になるため、個人ユーザーから写真愛好家、プロのカメラマンに至るまで幅広いニーズに応える。また、処理はPC内部のAIとニューロン処理ユニット（NPU）によって行われるため、即時性が高く、オンライン処理に比べて安全で安定した性能を発揮する。この技術により、写真編集の枠を超えた応用が期待される。

OCR機能が160言語に対応、文字認識を強化

OCR（光学文字認識）機能は、写真や画像から文字情報を自動で抽出する技術である。このフォトアプリでは、160以上の言語を認識することができ、書類や看板、メモのデジタル化が瞬時に行える。これにより、紙媒体の情報を簡単にデジタルに移行することが可能になり、ビジネスの現場や学術分野での利用価値が大幅に向上する。

さらに、OCR機能は画像内の文字の認識に留まらず、抽出した文字データの検索や編集も可能であるため、アーカイブや分析作業の効率化が期待されている。これらの機能は直感的な操作で利用できるよう設計されており、ギャラリー画面の下部に表示されるボタンをクリックするだけで簡単に文字の抽出ができる。

ユーザーフィードバック反映、新機能の改善点

Microsoftは、ユーザーから寄せられたフィードバックを基にフォトアプリのユーザビリティを改善した。新バージョンでは、ギャラリー内の画像をシングルクリックで開けるようになり、素早い操作が可能となった。従来のダブルクリック操作も引き続き対応しており、利用者の好みに応じた設定ができるようになっている。また、ズーム機能も改善され、画面内の画像が自動的にビューワーサイズに合わせて調整されるほか、ズームスライダーとの同期が向上した。

さらに、画像クリエイターと画像のスタイル変換機能においても、バグの修正が行われ、全体的な品質が向上している。これらの改善により、フォトアプリは個人利用者からプロユーザーに至るまで、幅広い層にとって使いやすく進化した。今後もMicrosoftは、ユーザーの声を反映した機能強化を続けていく予定である。