Microsoftは、Word、Excel、PowerPointといったOfficeアプリにAppleのHandoff機能を追加した。これにより、ユーザーはMac、iPhone、iPad間で作業を途切れなく継続できるようになった。たとえば、iPhoneで開始したプレゼン資料をMacで即座に引き継ぐことが可能となる。この新機能を利用するためには、OneDriveやSharePointにドキュメントを保存し、同一のApple IDで各デバイスにログインしている必要がある。Apple Watchは非対応であり、対象のiOSおよびMacアプリは最新版へのアップデートが求められる。
Microsoft OfficeにAppleのHandoff機能が対応
Handoffは、Appleが提供する機能で、異なるデバイス間でアプリケーションやファイルの作業をシームレスに移行できるものだ。今回、MicrosoftはWord、Excel、PowerPointといった主要なOfficeアプリにこのHandoff機能を対応させた。このアップデートにより、AppleユーザーはiPhoneで作業を開始し、そのまま中断することなくMacやiPadで作業を再開できるようになった。
Handoffの導入により、ユーザーは各デバイス間でドキュメントの編集や閲覧がスムーズに行える。特に、プレゼン資料の作成や長いレポート作業を行う際、外出先でのiPhoneを使った下書きをオフィスのMacで完成させるといった使い方が想定されている。Microsoftは、これによりユーザーの生産性が大幅に向上することを期待している。
クラウド保存でシームレスなデバイス移行が可能に
Handoff機能を活用するためには、対象のファイルをクラウドストレージに保存する必要がある。Microsoftは、OneDriveまたはSharePointへの保存を推奨しており、これらのプラットフォーム上にファイルが存在することで、異なるデバイス間での瞬時の切り替えが可能となる。
クラウド保存の利点は、ファイルが最新の状態で常に同期され、デバイス間で一貫した内容を保てる点だ。例えば、外出中にiPhoneで作業を行い、オフィスに戻ってからMacでその続きに取り組む場合でも、保存場所がクラウド上であれば、ユーザーは余計なデータ移行の手間を省くことができる。これにより、業務の効率が飛躍的に向上すると同時に、ミスのリスクも低減する。
対応バージョンと利用条件について
このHandoff機能を利用するためには、対象アプリが最新バージョンにアップデートされている必要がある。Microsoftによると、iOS版のWord、Excel、PowerPointは「バージョン2.89(ビルド24090210)」以降が、Mac版は「バージョン16.89(ビルド24091630)」以降が対応する。ユーザーは、自身のアプリがこれらのバージョンに更新されていることを確認しなければならない。
また、Handoffを有効にするためには、使用するAppleデバイスがすべて同一のApple IDでログインされていることが前提条件となる。さらに、BluetoothおよびWi-Fiが有効であることが必要で、デバイス間で物理的に近接していることが求められる。これらの条件が整っていれば、ユーザーはアプリケーションのDockやアプリスイッチャーを通じて、瞬時にファイルを引き継ぐことができる。