Microsoftは、iPad版Excelに新たなシート保護機能を導入したことを発表した。これにより、表計算シート内のデータを保護し、意図しない変更や削除を防ぐことが可能となる。ユーザーはアプリの「シート」タブや「リボン」からこの機能を有効化でき、編集範囲の管理やパスワード設定も可能だ。
最新機能はバージョン2.90.930.0以上で利用可能となっている。さらに、AppleのHandoff機能にも対応し、iPad、iPhone、Mac間でのファイルのシームレスな編集が実現した。
iPad版Excelに初のシート保護機能が登場
Microsoftは、iPad版Excelに初めてシート保護機能を追加した。この機能は、シート内のデータやセルを意図しない変更や削除から守るためのものである。従来、PC版Excelでは一般的に使われていたが、モバイル版やタブレット版でのサポートは限られていた。
今回のアップデートにより、iPadユーザーも同等の機能を利用できるようになった。これにより、個人ユーザーだけでなく、チームでの共同作業においてもデータの保護が容易になる。Microsoftはこの追加によって、モバイル環境における業務効率とセキュリティの向上を目指している。今後もこうしたタブレット向けアプリに、さらなる機能強化が期待される。
アプリ内での保護設定の操作手順
iPad版Excelでシート保護を利用するには、アプリ内のいくつかの操作が必要である。ユーザーはまず、「シート」タブから鍵アイコンを選択し、「Protection」をタップすることで保護機能を有効化できる。また、「リボン」メニューの「レビュー」からも同様の操作が可能だ。
保護を一時的に解除する際には「Pause Sheet Protection」を、再度有効化する際には「Resume Sheet Protection」を使うことで、柔軟な管理が可能となる。さらに、パスワードを設定することで、保護機能を強化できる。
パスワードを使えば、意図的な操作ミスを防ぐだけでなく、編集範囲の限定なども可能である。Microsoftは、これらの操作が直感的に行えるよう設計しているため、初心者でも使いやすい仕様となっている。
バージョン2.90.930.0以上で利用可能
シート保護機能を利用するには、iPad版Excelのバージョン2.90.930.0以上にアップデートする必要がある。このバージョンでは、シート保護以外にもいくつかの新機能やパフォーマンス改善が含まれている。Microsoftは、最新バージョンの導入によってユーザーエクスペリエンスの向上を図ることを目的としている。
特に、共同編集を行うビジネスユーザーにとっては、データ保護が円滑な業務遂行に寄与する重要な要素である。なお、アプリの自動更新を有効にしておくことで、常に最新の機能を利用できるようになる。Microsoftは今後も、ユーザーのフィードバックを反映しながらさらなる機能追加を行っていく方針である。
Handoff機能の対応でAppleデバイス間の作業が円滑に
Microsoftは今回のアップデートで、AppleのHandoff機能への対応も強化した。これにより、iPad、iPhone、Macの間でシームレスにExcelファイルの編集を行うことが可能になる。たとえば、iPhoneで作業を開始したExcelファイルを、Macに切り替えてそのまま続けることができる。
ユーザーはログイン状態を維持しながら、デバイス間でスムーズにファイルの移動が行えるため、場所を選ばず効率的な作業が可能である。Microsoftは、こうしたクロスデバイスでの操作性の向上に力を入れており、ビジネスユーザーや学生にとって大きな利便性を提供している。
Handoff機能の活用により、複数デバイスをまたいだスムーズな業務が期待される。今後もこのような機能の拡充を進め、ユーザーの多様なニーズに応えていく方針である。