Windows 11の最新バージョン「24H2」へのアップグレードが、厳格なシステム要件のために多くのユーザーにとって困難であった。この状況を打破するため、サードパーティの開発者Belimが「Flyby11」というツールを公開した。
このツールにより、TPMやSecure Bootといった必須要件を満たさない古いPCでも新バージョンのWindowsをインストールできるようになる。Flyby11は、Windows Serverのセットアッププロセスを利用してハードウェアチェックをスキップする仕組みを採用している。ただし、非公式なツールの使用はシステム障害のリスクを伴うため、ユーザーには慎重な運用が求められる。
Windows 11のシステム要件が成長の壁に
Windows 11は、リリースから3年以上が経過しているにもかかわらず、市場シェアの拡大に苦戦している。現在、Windows 11のシェアは約33.37%に留まっており、Windows 10が62.79%と圧倒的に多くのユーザーに利用されている。Windows 10のサポート終了日が2025年10月14日に迫る中、ユーザーはアップグレードを求められているが、Windows 11の厳格なシステム要件がその成長を妨げる要因となっている。
新しいバージョンへの移行は、TPM 2.0の搭載やSecure Bootの有効化といった要件をクリアする必要があるため、多くの古いPCユーザーにとって大きな障壁となっている。この結果、Windows 11に移行せずにWindows 10を延長サポートに頼る、あるいはLinuxやMacといった他のOSに移行する選択肢を検討するユーザーも少なくない。Microsoftは、システム要件を満たす新しいPCを購入するか、拡張サポートを有料で受けるよう勧めているが、それでもアップグレードの停滞は解消されていない。
開発者Belimが「Flyby11」を発表、非対応PCに対応
サードパーティ開発者のBelimは、このような状況を打破するため「Flyby11」というツールを発表した。Flyby11は、MicrosoftがWindows 11のインストール時に課している厳格なハードウェア要件をバイパスする機能を持つ。このツールを使えば、TPMが非搭載、Secure Bootが無効、あるいはプロセッサが非対応の古いPCでも、Windows 11の最新バージョン「24H2」をインストールすることが可能である。
Flyby11は、Windows Serverのインストールプロセスを応用することで、通常のWindows 11セットアップ時に行われるハードウェアチェックをスキップする仕組みを採用している。このプロセスにより、従来は非対応とされていた多くのPCがアップグレード可能になる。しかし、Microsoftが公式にサポートしない方法であるため、利用者にはリスクが伴うことを理解した上での利用が求められる。システムの互換性を考慮し、仮想環境での事前テストを行うことが推奨されている。